食べる前に読む!世界のカレー「東インド」編

カレーと聞いて、皆さんはどんな料理を思い浮かべますか?多くの方が想像するのは、スパイスの香り豊かなインドカレーかもしれません。その中でも、東インドのカレーは少し異なる個性を持ち、日本のカレー好きにとっても新たな発見をもたらしてくれる存在です。今回は、そんな東インドのカレーに焦点を当て、その魅力をご紹介します。

東インドカレーの特徴とは?

東インド、特にベンガル地方のカレーは、その「マスタード」を使った独特の風味で知られています。例えば、「シャルシャ・マチャ」と呼ばれる魚のカレーは、マスタードペーストをベースに作られる一品。ピリッとした辛さと共に、マスタードの深いコクが口の中に広がります。

東インドでは魚介類が豊富に使われるのが特徴です。川や海の恵みを存分に活かしたカレーは、フレッシュでどこか懐かしさを感じさせる味わい。日本のカレーにはあまり見られない、魚の旨みを引き出す調理法は、一度体験すると忘れられません。

「カレー」として感じる共通点と違い

東インドのカレーには、私たちが慣れ親しんでいる「カレーライス」と共通する点もあれば、大きく異なる部分もあります。共通点として挙げられるのは、スパイスの複雑な香りと、温かいご飯と一緒に楽しむスタイル。どこかほっとする食文化の一部として、親しみを感じられる要素があるのです。

一方で、大きく異なるのがその酸味と辛さのバランス。タマリンドやトマトを使った酸味が効いた料理や、独特なスパイスの使い方は、日本のカレーではあまり見られない新鮮な感覚をもたらします。こうした違いがあるからこそ、東インドのカレーを知ることで「カレー」の定義が広がるのです。

ベンガル地方の文化が育む味

東インドのカレーは、単なる料理としてだけでなく、その土地の文化や歴史と深く結びついています。例えば、ベンガル地方では「五つのスパイス」と呼ばれる「パンチフォロン」を使う料理が多く、これがカレーの味を決定づける重要なポイント。クローブ、フェヌグリーク、クミン、マスタードシード、フェンネルといったスパイスが混ざり合い、独特な香りを生み出します。

また、カレーに添えられるご飯も特徴的です。細長くてふっくらとしたバスマティライスは、日本のご飯とは異なる軽やかな食感で、カレーと絶妙に調和します。この地域特有の組み合わせは、食材が持つ本来の良さを最大限に引き出しているといえるでしょう。

東インドカレーが教えてくれること

東インドのカレーに触れると、改めて「カレー」という言葉の多様性に驚かされます。スパイス、食材、そして調理法――そのすべてが地域ごとの個性を物語っています。特に、魚介とマスタードを中心としたベンガル地方の料理は、「カレー」とは何かを問い直すきっかけになるかもしれません。

もし次に新しいカレーを試したいと思ったときには、東インドのカレーをぜひ思い出してください。その奥深い味わいと文化が、あなたのカレー体験をさらに豊かなものにしてくれるはずです。

東インドカレーを知ることは、ただ一皿の料理を楽しむ以上に、異なる文化を味わう冒険です。食の世界を広げる一歩として、ぜひその扉を開いてみませんか?

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ジャン・バラヤ年齢:20歳 職業:大学生・文学部 好きなカレー:本格インドカレー(特にチキンカレー)
大学では文学を学びつつ、本格インドカレーにどハマり中。特にチキンカレーの奥深さに魅了され、自宅でスパイス調合にも挑戦。言葉を紡ぐのも、スパイスを混ぜるのも奥が深い!カレーをもっと楽しく味わうための知識を発信します