食べる前に読む!世界のカレー「北インド」編

インドカレーといえば、多くの日本人が思い浮かべるのは、クリーミーで濃厚なソースが特徴の北インドのスタイルではないでしょうか。インド北部は、その豊かな食文化と多彩なカレーで、世界中のカレーファンを魅了しています。今回は「北インドカレー」をテーマに、日本人の味覚にも馴染みやすいその魅力を掘り下げていきます。

北インドカレーの特徴:豊かさと濃厚さのハーモニー

日本で一番普及しているインド料理が北インドのカレー。まず思い浮かぶのがバターやクリームを使った濃厚なソース。トマトや玉ねぎをじっくり炒めたベースに、クローブやカルダモンといった芳醇なスパイスを加えることで、奥深い味わいが生まれます。この「濃厚さ」と「芳醇さ」が北インドカレーの代名詞とも言えるでしょう。

また、ナンやチャパティといったパンとの相性の良さも特徴的。日本ではカレーライスが主流ですが、北インドではパンとともに楽しむスタイルが一般的です。この組み合わせは、スパイスの香りを包み込みながらもしっかりと引き立て、食感の違いを楽しむことができます。

日本人が「カレーらしい」と感じる要素

北インドのカレーは、日本のカレーに近い要素を多く含んでいます。その一つが「とろみ」と「コク」。日本のカレーもルウを使ったとろみのあるスタイルが主流で、この点が北インドのクリーミーなカレーと共通しています。

さらに、昔は王様や貴族が食べていたことから端を発するバターやクリームの多用によるリッチなまろやかさは、辛さを控えめに感じさせ、日本人の味覚にも非常に親しみやすいといえます。スパイスが多用されるものの、全体のエッヂが取れているため、「スパイスは苦手」という人でも挑戦しやすいのが魅力です。

北インドカレーに隠された文化と歴史

北インドのカレーは、その土地の歴史や文化と密接に結びついています。例えば、北インドではムガル帝国時代の影響を受けた料理が多く見られます。バターチキンやキーマカレーのような肉を主体としたカレーが発展したのは、宮廷料理が起源とされています。

また、地理的な特徴も大きな影響を与えています。北インドは寒暖差が激しく、乳製品が豊富に使用される料理が多いことも、濃厚なカレーが発展した理由の一つ。これらの要素が合わさり、北インドカレー特有の深みある味わいが完成しています。

世界のカレーの一部としての北インド

北インドカレーは、世界のカレーの中でも特に親しみやすい存在として、多くの日本の人々に愛されています。しかし、その味わいやスタイルに触れると、ただ「美味しい」だけでなく、スパイスや調理法が織りなす多様性にも気づかされます。

「これもカレーなの?」と思うような一皿を通じて、カレーという料理の奥深さに驚くこともしばしば。北インドカレーは、その入り口として最適です。

次にカレーを食べるとき、少しだけ北インドに思いを馳せてみてください。クリーミーで芳醇なカレーは、スパイスの魅力を教えてくれるだけでなく、食文化の背景をも感じさせてくれるはずです。その一皿が、新たな食の冒険の扉を開くきっかけになるかもしれません。

新しい世界の味に挑戦するのは、まるで冒険のよう。次の食の旅は、西インドのカレーで決まりです!

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ジャン・バラヤ年齢:20歳 職業:大学生・文学部 好きなカレー:本格インドカレー(特にチキンカレー)
大学では文学を学びつつ、本格インドカレーにどハマり中。特にチキンカレーの奥深さに魅了され、自宅でスパイス調合にも挑戦。言葉を紡ぐのも、スパイスを混ぜるのも奥が深い!カレーをもっと楽しく味わうための知識を発信します