非常時の食事というと、どうしても味気なく、栄養も偏りがち。そんな中、「カレー」は防災食として、実は非常にバランスの取れた存在です。単なる人気メニューというだけではなく、災害時にこそ力を発揮する“隠れた優等生”とも言えるでしょう。では、なぜカレーが防災シーンで選ばれるのでしょうか？その理由を3つの観点から探ってみましょう。
1. 保存性に優れ、備蓄に最適
カレーはレトルト、缶詰、フリーズドライなど、さまざまな形で長期保存が可能な商品が揃っています。常温で2～3年の保存ができるタイプもあり、非常食としてストックするには申し分ありません。
また、温めずにそのまま食べられるカレーも多く、ガスや電気が止まったときにも活躍します。パウチごと湯せんできるものや、発熱剤付きの非常用セットもあり、状況に応じた選択肢が豊富なのも心強い点です。
2. 栄養バランスの調整がしやすい
防災食において見落とされがちなのが「栄養の偏り」。しかしカレーであれば、具材やソースの組み合わせ次第で、たんぱく質やビタミン、炭水化物を一皿で摂ることができます。
例えば、牛肉や大豆ミート入りのレトルトカレーはたんぱく質がしっかり摂取でき、野菜入りのものを選べばビタミンも補えます。ごはんが手に入らないときは、パンやクラッカー、乾麺などとも合わせやすく、食の自由度も高いのが魅力です。
3. “ホッとする味”が心を支える
災害時は、物理的な安全だけでなく、心の安定も非常に大切です。そんなとき、カレーのなじみ深い香りや味わいが、大きな安心感につながります。
特に一人暮らしの人にとっては、非常時の孤独感や不安を少しでも和らげてくれる“記憶の味”として、日常とのつながりを感じさせてくれる存在にもなり得ます。普段からお気に入りのレトルトカレーをいくつかストックしておくことで、非常時にも「自分らしさ」を保てるかもしれません。
まとめ
非常時に求められる「保存性」「栄養バランス」「精神的安心感」。この3つを満たす食品は意外と少ない中で、カレーはすべてを兼ね備えた頼れる存在です。いざという時の備えに、日常の延長としての“非常食カレー”を見直してみてはいかがでしょうか？
