
カレーといえば家庭の定番メニューや専門店の本格派を思い浮かべますが、不思議と蕎麦屋で食べるカレーは、どこか特別に美味しく感じませんか?
今回は「蕎麦屋で食べるカレーの特別感」を紐解きます。
そもそもなぜ?蕎麦屋でカレーが食される理由
蕎麦屋のカレーライスの起源は、明治時代後期にさかのぼります。
当時、日本では洋食ブームが到来し、カレーやハヤシライスといった“モダンな味”が人気を集めていました。その一方、伝統的な蕎麦屋はその波に押され、客足が遠のいてしまいます。
そこで生まれたのが、カレー南蛮やカレー丼。
やがて、そのカレーつゆをご飯にかけた「カレーライス」も人気を博し、蕎麦屋の定番メニューとして定着していったのです。
出汁とスパイス、和と異国のベストマッチ
蕎麦屋で提供されるカレーには、鰹や昆布からとった出汁が隠し味として使われています。日本人の細胞に刻まれた出汁の風味は、たとえ隠れていたとしても私たち心に語りかけてきます。慣れ親しんだ旨味の塊「出汁」と異国情緒を感じさせる「スパイス」の組み合わせは、一見ちぐはぐに思えるのに不思議と居心地の良さも感じるもの。
“刺激”と“安心感”、矛盾するこの感情を同時に呼び起こす魅力に、私たちは引き込まれてしまうのかもしれません。
なんだか、“通”っぽい。専門店で違うものをいただく背徳感
蕎麦屋でカレーを頼むと、どこか背徳感を感じるのはなぜでしょう。
蕎麦の専門店であるのに、あえてカレーを食す――その選択が「ちょっと私、“通”っぽい?」なんて、少し得意げな気分にさせてくれるのかもしれません。
誰もが抱える“当たり前への反骨心”。蕎麦屋のカレーは、そんな気持ちを満たしてくれる存在なのです。
日常にも食事にもスパイスを効かせてくれる「蕎麦屋のカレー」。
背徳感と安心感のハーモニーに、あなたもそっと引き込まれてしまうかもしれません。










