
カレー専門店に行くと、カレーと一緒に提供される謎の小皿。「福神漬けやラッキョウではない、何か赤っぽい漬け物っぽいものがあるけど、これって何?」と疑問に思ったことはないだろうか。それが「アチャール」だ。
アチャールは、インドやネパールなどで食べられている漬物の一種。カレーに添えられることが多いが、その存在感は地味。しかし、実はカレーの味わいを引き立てる隠れた名脇役なのだ。
アチャールとは?漬物だけど一味違う
アチャール(Achaar)は、インドや周辺地域で親しまれているスパイス漬けのこと。日本でいう「漬物」に近いが、その特徴は独特のスパイス使いにある。主にレモンやマンゴー、ニンジン、唐辛子などの野菜や果物を塩とスパイス、油で漬け込んで作られる。
アチャールに使われるスパイスは店や地域によって異なるが、よく使われるのは以下のようなものだ。
マスタードシード(辛味と香ばしさをプラス)
フェヌグリーク(ほのかな苦みと深み)
クミン(スパイシーな香り)
ターメリック(鮮やかな色とほのかな土っぽさ)
唐辛子(ピリッとした辛さ)
このスパイスと油の組み合わせが、アチャールならではのクセになる風味を生み出している。
カレーとアチャールの相性
アチャールは、なぜカレー専門店のテーブルに置かれているのか? それは、カレーと組み合わせることで食事の楽しみ方が広がるからだ。
1. 酸味と辛味でカレーのコクが引き立つ
アチャールにはレモンやマンゴーを使ったものもあり、酸味が特徴的。これが、こってりとしたカレーのコクを引き立て、後味をすっきりさせる。
2. 味変アイテムとして活躍
カレーの途中で味に変化をつけたいときに、アチャールを少し加えると、新しい風味が楽しめる。特に、辛さが強いカレーに合わせると、スパイスの刺激が和らぎ食べやすくなる。
3. ナンやライスとの相性も◎
ナンにアチャールをのせて食べると、スパイスの香りと酸味が口の中に広がる。ライスに混ぜても美味しく、シンプルなバスマティライスと合わせると、より奥深い味わいになる。
アチャールはどんな種類がある?
アチャールは、野菜や果物の種類によって風味が大きく変わる。よく見かける代表的なアチャールを紹介しよう。
1. マンゴーアチャール
熟していない青マンゴーを使ったアチャール。甘さよりも酸味とスパイスの刺激が強い。辛口カレーとの相性が抜群。
2. レモンアチャール
レモンを丸ごと漬けたタイプ。酸味が強く、スパイシーなカレーに爽やかさをプラスする。
3. ニンジン&大根アチャール
千切りのニンジンや大根を使ったシンプルなアチャール。比較的マイルドな味わいで、日本人の口にもなじみやすい。
4. チリアチャール
唐辛子を漬け込んだ激辛アチャール。辛いもの好きにはたまらないが、カレーとのバランスを考えながら少しずつ食べるのがおすすめ。
まとめ:アチャールを試せばカレーの世界が広がる
「アチャールって何?」と思っていた人も、ここまで読めばその役割が理解できたのではないだろうか。カレーの風味を引き立て、味に変化をつけることができる、まさに“カレーの名脇役”ともいえる存在だ。
次にカレー専門店に行ったときは、テーブルに置かれたアチャールをぜひ試してみてほしい。一口加えるだけで、カレーの印象がガラッと変わるかもしれない。
