
インドレストランのメニューを開くと、カレーの横に「タンドリーチキン」という名前をよく見かける。なんとなくスパイシーなチキン料理というイメージはあるが、具体的にどんな料理なのか、なぜインド料理店で定番なのかを知っている人は意外と少ないのではないだろうか?今回は、インド料理の名脇役ともいえるタンドリーチキンの正体に迫ってみよう。
タンドリーチキンとは?
タンドリーチキンは、ヨーグルトとスパイスで漬け込んだ鶏肉を、高温の窯「タンドール」で焼き上げるインドの伝統料理。名前の由来は、この「タンドール(Tandoor)」という調理用の土窯にある。タンドールは、主に北インドの料理で使われる特殊なオーブンで、内部は400度近くまで加熱される。ここにスパイスが染み込んだ鶏肉を串に刺して入れ焼くことで、外はパリッと香ばしく、中はジューシーな仕上がりになる。
ちなみに、このタンドール調理はナンにも使用されており、インド料理の焼き物の多くはタンドールを使っている。だからなのか、タンドリーチキンとナンは相性抜群だ。
タンドリーチキンの味と食感の魅力
タンドリーチキンの最大の特徴は、スパイスの香りと鶏肉のジューシーな食感のバランスにある。ヨーグルトに漬け込むことで肉質が柔らかくなり、スパイスの風味がしっかりと染み込む。クミンやコリアンダー、ガラムマサラといったスパイスが使われることが多く、ピリッとした辛さと奥深い香りが楽しめる。
また、タンドール窯で焼き上げることで、表面にはこんがりとした焼き目がつき、スモーキーな風味が加わる。見た目の赤い色は、インドでもめでたい色とされる。パプリカパウダーやカイエンペッパーなどのスパイスによって赤くなる。店によっては積極的なな色付けをしている場合もあるが、基本的にはスパイスの力でこの鮮やかな色が生まれる。
なぜインドレストランで定番なのか?
インドレストランでタンドリーチキンが定番メニューになっている理由はいくつかある。
1. カレーの前菜として最適
タンドリーチキンは、カレーを注文する前のスターター(前菜)として人気が高い。スパイスの効いた肉料理を楽しみながら、メインのカレーへの期待を高めることができる。
2. ビールやワインと相性抜群
本国では御法度の地域もあるが日本ではスパイスの効いたタンドリーチキンは、アルコールとの相性が非常に良く、好まれる。特に、インドのビール「キングフィッシャー」やスリランカビール「ライオンラガー」、スパイシーな赤ワインやフルーティな白ワインどちらにも合わせやすく、その美味しさがさらに引き立つ。
3. カレーと合わせても美味しい
タンドリーチキン単体でも十分美味しいが、バターチキンカレーやほうれん草カレーと一緒に食べると、スパイスの香りが一層引き立つ。ナンやライスと一緒に食べることで、より奥深い味わいを楽しめる。
まとめ:タンドリーチキンはインド料理の万能プレイヤー
タンドリーチキンは、スパイスの香りと炭火焼きの香ばしさが楽しめる、インド料理の定番メニュー。カレーと一緒に食べるもよし、ビールのつまみにするもよしと、幅広い楽しみ方ができる。
次にインドレストランへ行くときは、ぜひタンドリーチキンを注文してみてほしい。スパイスの奥深さと焼き上げた肉の旨みが、一口ごとに広がること間違いなしだ。
